人によってそれぞれ感じ方に違いはあるであろうが、貴方がもしクラシック音楽を聴くことに抵抗がなければ、太鼓判を押せるのはロッシーニのオペラ・ブッファ(コミック・オペラ)である。個人的に特にお勧めするのは「アルジェのイタリア女」(L'Italiana in Algeri)である。時代に遅れてやってきた天才ロッシーニが21歳のとき1ヶ月あまりで書き上げたスピード感や笑いと素晴らしいメロディに満ちあふれた超傑作オペラである。
個々の歌手にあてがわれた超絶技巧を要するソロのアリアも素晴らしいのだが、このオペラではそれ以上に重唱の部分が見事である。その中でもとりわけ個人的に大好きなのが、主役のイザベッラ(メゾ・ソプラノ)とタッデーオ(バス)の二重唱である”Ai capricci della sorte”(運命のきまぐれに)。乗り合わせていた船がアルジェリアで海賊に襲われ、今後の成り行きにくよくよ心配を巡らすタッデーオに対しイザベッラは成るようにしかならない(sarà quel che sarà)と全く意に介さない。いつの世も女性は強い!
自ら以前よりオペラを中心にシュトラウス好きを公言しているのだが、この作曲家の最晩年の作ともいえる「四つの最後の歌」(Vier letzte Lieder)は格別の大好物で3度の飯よりも好きかもしれない(ちょっと大袈裟?)。個人的にはシュトラウスといえば「ソプラノ」と「ホルン」に尽きると信じて疑わないので、「薔薇の騎士」「カプリッチョ」、そしてこの「四つ最後の歌」は正に好みのど真ん中ともいえる存在である。この作曲家の人生観照の歌ともいえるオーケストラ伴奏の連作歌曲の中でも通常3番目に歌われる「Beim Schlafengehen」は特段の気に入りの作品である。
ただ、不思議なことを発見した。このCDはSwedish SocietyのSCD 1018という番号なのだが、現在はこの番号は”En Klassisk Jul”(英語のタイトルはChristmas Greetings From Sweden)というタイトルとなっており、一部旧SCD 1018からの録音も含まれているが、異なったCompilationになっており、全く違うアルバムである(こちらも現在廃盤か、入手はあまり容易ではないようである)。この同一カタログ番号で異なるアルバムの存在、もし事情に詳しい方がおられればお教え願いたいものである。
Christmas Greetings ~ Julens sånger(Swedish Society SCD 1018)
Birgit Nilsson
1.Ave Maria - J.S.Bach-C.Gounod
2.O Helga natt O holy Night - A.Adam
3.Panis angelicus - C.Franck
4.Stilla natt Silent Night - F.Gruber-J.Mohr
Helena Döse
5.Care selve from Atalanta - G.F.Handel
6.Hark! The Herald Angels Sing - F.Mendelssohn-Bartholdy
7.Jerusalem, die der tötest die Proheten from St. Paul - F.Mendelssohn-Bartholdy
8.Betlehems stjärna The Stars of Bethlehem - Alice Tegnér
Tord Slättegård
9. Psaltare och Lyra Psaltery and Lyre - G.Nordqvist - E.A.Karlfeldt
10.JulvisaChristmas Song - J.Sibelius-Z.Topelius
11.Cavatina: Sei getreu - F.Mendelssohn-Bartholdy
Alice Babs
12.Jesu, Jesu, du bist mein(BWV 470) - J.S.Bach
13.Gott, wie gross ist deine Güte(BWV 462) - J.S.Bach
14.Bist du bei mir(BWV 508) - J.S.Bach
Exsultate jubilate(KV 165) - W.A.Mozart
15.Allegro
16.Recitativo
17.Andante-Allegro non troppo
この”An Old Met Christmas”は1987年に”A New Met Christmas”(確かこういうタイトルだった思う)とともにMetropolitan Opera GuildからBMGを通じてリリースされたアルバムである。Googleで検索を掛けてみたのだが、どちらも既に廃盤になっているようであり、John McCormack Societyのサイトのこんなページしか引っ掛からなかった。オペラファンの方にはタイトルから容易に想像がつくように、このアルバムはかつてニュー・ヨークのメトロポリタン・オペラを彩った名歌手達が歌うクリスマス・ソングを寄せ集めてCD化されたものである(殆どがかつてはRCAなどからリリースされていた録音である)。
この”Old”に集められた録音の年代のスパンは非常に広く、1916年から1968年に及んでいる。アルバムの冒頭では、20世紀初頭のゴールデン・エイジを代表するKing of Tenorであるエンリコ・カルーソによる19世紀のフランスのユダヤ人作曲家アドルフ・アダムによる最もポピュラーなクリスマス・キャロル一つ、原題で”Cantique de Noël”(英語では”O Holy Night”)を意外ともいえる恣意的な歌い崩しもなく思いのほか端正な歌唱を聴くことができる。2曲目はドイツ・オペラにおいては比類なき名ソプラノと称えられたロッテ・レーマンによる”O Come All Ye Faithful”は、彼女の歌手としては晩年期の録音であり揺蕩う夕映えを思わせる人生観照の歌唱を堪能することができる。そして、1955年に黒人歌手としは初めてメトロポリタン・オペラにヴェルディのオペラ「仮面舞踏会」のウルリカ役で登場したアルト歌手、マリアン・アンダーソンの”Angel's Song”もスピリチュアルな名唱である。
1.Adam Cantique de Noël - Enrico Caruso
2.Wade O Come All Ye Faithful - Lotte Lehmann
3.Yon Gesú Bambino - Giovanni Martinelli
4.Humperdinck Weihnachten - Ernestine Schumann-Heink
5.Traditional The Holy Child - John McCormack
6.Schubert Ave Maria - Rosa Ponselle
7.Brooks-Redner O Little Town of Bethlehem - Richard Crooks
8.Gruber Silent Night - Helen Traubel
9.Bucky Angel's Song - Marian Anderson
10.Bach-Gounod Ave Maria - Patrice Munsel
11.Traditional Es blühen die Maien - Hilde Gueden
12.Willis-sears It Came Upon the Midnight Clear - Brian Sullivan
13.The Friendly Beasts - Risë Stevens
14.Traditional God Rest Ye Merry,Gentlemen - Eileen Farrell
15.Franck Panis Angelicues - Franco Corelli
16.Traditional The First Noël - Roberta Peters
17.Traditional Angels We Have Heard on Hiigh - James McCracken
18.John Jacob Niles I Wonder as I Wonder - Dorothy Kirsten
19.Adam O Holy Night - Leontyne Price
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