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November 15, 2005

Profit and loss sharing


昨年ドラッカー博士に関する”Japanese bureaucracy”のエントリを書いたのは、会社には利益を残さないなど、非常にユニークな経営理念を持ち広島を中心に展開している「(株)メガネ21(ツゥーワン)」という会社の”The company which does not seek the profit”というエントリ書いていた際、博士の以下の発言を思い浮べたことが切っ掛けとなった。

世界には、もうこれ以上の均質さはいらない。必要なのは多様なモデル、多様な成功、多様な価値観である。

先日このメガネ21のことがNHKの”ビジネス未来人”という番組で取り上げられ、創業者の一人である平本清氏がインタヴュを受けておられた。この会社のユニークさはリンク先や弊blogの過去のエントリを参照していただければお解り頂けると思うが、日経BP社のサイトにこのメガネ21の企業としての生い立ちから現在までのかなりに詳細にわたっての「メガネ21、”究極”のオープン経営を解き明かす」と題したコラムがある。

リストラで職を失った社員の受け皿という生い立ちを持つこの会社の「利益を商品の値下げと社員に還元し会社には残さない」という基本的な方針は以前のエントリでもご紹介したのだが、これは単に”Profit sharing”という意味ではなく”Loss sharing”も含まれていることをこのコラムを読んで改めて認識した。つまり赤字になったら、その分を従業員全員で負担するということであり、実際に創業当初に倒産の危機に見舞われたときにそれをやってのけたそうである。この”Profit and loss sharing”のシステムは一般的な組織に帰属する人々が持つ「給料は会社からもらっている」という発想を根底から覆すことは間違いない。

それにしてもこのコラムで紹介されているメガネ21に関するリポートには「ここまでさらけ出しても大丈夫?」というほど、生々しい話が綴られおり全てが成功談というわけでもない。全部読み通すには非常に長いコラムであり、この企業理念やシステムに賛否双方があるとは思うが、メガネ21が何故ビジネス(商売)で成功を収めたかの示唆に富む内容が含まれている。ただこの成功要因としてはとりたてて特別なことは何もなく、商人としてやるべき事を徹底してやっただけである(実際には、これが非常に難しい)。特に、コンシューマ製品を直接お客さまに販売することに携わっておられる方にはこのコラムを読まれることを強くお勧めする。


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Comments

この㈱メガネ21の経営戦略には、なるほどと思うこともたくさんあるのですが、弊社にはとても真似が出来ないというか、参考にしようとも思わないのです。といって、経営状態が良好なのかといえば、利益は出していてそれなりの税金を収めさせていただいていますが、まるっきりの同族会社であり、尚且つ、経営のスタンスが地域社会への貢献というか、地元で存在感があることを第一に考えています。酒類・食品問屋という、地場を中心に流通業を営んでいますが、この業界は量販店の台頭ばかりで、個人の小規模資本にとっては将来性は見込めないものです。そういったビジネスを表看板にしながら、経営の基本的な考えは、2代前の創業者が基礎を築いた資産の運用を、兄貴と二人で知恵を出し合いながら、効率よく遂行してゆくことを目指しています。あまりかっこよくないけど、欲を掻かずに、次世代に継承してゆくことを最大の目標にしていると、いったところです。まあ成り行きの経営者みたいなもんです。

Posted by: 夢は神宮に | December 01, 2005 at 07:33 PM

神宮の夢さま

コメントありがとうございました。

メガネ21はその成り立ちからして非常にユニークであり、ご本人は決して社長にならないと決意している平本氏というカリスマの存在ぬきにはこの会社は成り立たなかったと思います。ドラッカー教授の言を借りるまでもなく、全ての企業がこのメガネ21のシステムを真似する必要など全くないでしょう。ただ一点、この会社から学ぶとすれば、正社員・契約社員に拘わらず「顧客を大切にする」という価値観が共有されていることでしょう(レポートを読む限り、現在でも必ずしも徹底されてる訳ではないようですが)。例え衰退産業であっても(ドッラカー教授は自動車は衰退産業であると断言しています)その顧客が消えて無くならない限り、利益を出してしっかりと生き残っていく方法はいくらでもあります。知恵を絞ってガンバリましょう。

Posted by: Flamand@擬藤岡屋日記 | December 01, 2005 at 11:27 PM

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