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November 12, 2005

Obituary ~ Peter Ferdinand Drucker

Peter F. Drucker, a Pioneer in Social and Management Theory, Is Dead at 95(N.Y.Times)

クレアモント大学(米、カリフォルニア州)大学院教授であったピーター・ドラッカー博士が11月11日に死去した。享年95歳。

主要紙を始めとしてスポーツ新聞の訃報欄でも当然のごとくドッラカー氏死去のニュースが取り上げられているが、その見出しを飾る称号は「現代経営学の父」、「現代経営哲学の父」、「経営学者」、「経営学の神様」、「経済学者」などがあり、我が国では氏が最期まで現役の「マネジメントの泰山北斗」であったという評価が概ね定着しているようである。ドラッカー氏の30冊あまりの著作もほぼ全てが翻訳されており、度々の来日時の講演やコンサルティングで我が国の経営者たちの尊敬を集めた学者であったため、当然ともいえる評価であり格別異論はないのだが、氏の影響力は経営学・マネジメントという限られた分野を遙かに超えていた。

N.Y.Timesの訃報記事でも触れているように、ドラッカー氏は自らを"social ecologist(社会生態学者)"であると考えており、何冊かのその著作やいくつもの発言に触れた印象では歴史に通暁し自らの経験に裏打ちされた将来に対する深い洞察力は単に「現代経営学の父」と呼ばれる以上の巨匠であったと考えるのが妥当であろう。

それにしても、19世紀の残り香漂う皇帝フランツ・ヨーゼフ治下のハプスブルク帝国のヴィーンに生まれ、恐らくシュンペータやハイエクやミーゼスなどヴィーン学派の影響受けた人が、齢90を越えて21世紀まで将来のことを現役として語り続けたことは驚嘆に値することである。

浅学非才な身にとって、正に目から鱗な氏の至言に触れることが出来たのは幸せなことであった。ドッラカー氏の至言で今直ちに思い浮かぶのは、「何故、誰にも気付かれない(仕事上の)細部にも手抜きをしないのか?」という自問に「神々が見ている」というギリシャの彫刻家フェイディアスの言葉を引用していたことである。そして、氏が幼少の頃にヴィーンで「祭」を見物していた時に、「自分は祭に参加する人間ではなく、それを観ている人間である」と直感的に悟ったという言葉も強く印象に残っている。

ご興味のある方は、以前弊blogでドラッカー氏が著作「明日を支配するもの」で述べていた日本の官僚機構に関するエントリ”Japanese bureaucracy”をご参照ください。



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Comments

TBありがとうございます。

確かに、ドラッカー氏は日本人にとって、単なる経営学の領域を超えた存在であったかも知れませんね。

Posted by: 唐澤 | November 13, 2005 at 10:10 PM

トラバ有難うございます。

深い考察に感服いたします。

また、お邪魔します。

Posted by: HIRO | November 13, 2005 at 10:11 PM

トラバありがとうございました。
"経営学者"ではなく"social ecologist(社会生態学者)"なんですね。納得です。

Posted by: xsion | November 13, 2005 at 11:19 PM

TBありがとうございます。
死後、改めてその存在の偉大さを知る次第です。

Posted by: choice | November 14, 2005 at 01:02 AM

TBしましたが、
Japanese bureaucracyのほうからにすべきだったかもしれません。

彼には、間接的にいろいろお世話になりました。

Posted by: baka-inu | November 14, 2005 at 09:20 AM

TB させていただきました.
ドラッカー氏は日本にも大きな影響を与えた経営学者ですね.経営学を超えた「社会生態学者」であったというのは,納得させられます.
残念です.合掌.

Posted by: ikarashi | November 14, 2005 at 02:12 PM

TBありがとうございます。

様々な方のコメントをみて、
改めてドラッカー氏の影響力の大きさを実感しました。

Posted by: 自然に学ぶ | November 14, 2005 at 09:19 PM

>唐澤さま
>HIROさま
>xsionさま
>choiceさま
>baka-inuさま
>ikarashiさま
>自然に学ぶさま

コメントをくださった皆さま、ありがとうございました。
高齢とはいえ、ドッラカー博士の逝去は残念なことでした。しかし、博士が残してくれた著作や発言はまだまだ我々を刺戟しつづけ、将来を展望するための指針になっていると感じています。


Posted by: Flamand | November 15, 2005 at 12:38 AM

TBありがとうございます。
経営情報学を専攻している者として、
ドラッカー博士の「他を寄せ付けない偉大さ」には
驚きの感すら覚えます。

Posted by: ウェルネス・クリエイト | November 15, 2005 at 09:13 AM

>吉岡さま@ウェルネス・クリエイト

コメントありがとうございます。

ドラッカー博士のマネジメント論には、組織を構成する「人」という視点を重視しているところに一味も二味も違う説得力があったのだと思います。

Posted by: Flamand | November 15, 2005 at 01:10 PM

トラックバックありがとうございます。
改めてドラッカー博士の影響の大きさを
感じました。

Posted by: 渡辺俊一 | November 17, 2005 at 11:37 AM

渡辺俊一さま、

コメントありがとうございます。

ドラッカー博士は晩年、「高齢化社会」以上に、より深刻な若者の供給が減じる「人口減少社会を先進国ではじめて経験する日本こそが、世界に対してその規範を示す必要がある」と語っていたことも印象に残っています。

Posted by: Flamand | November 17, 2005 at 12:22 PM

農家の本棚運営の玲治です。

トラックバックを張らせていただきありがとうございます。

ドラッガーの本を読み出したのは最近なんですが、骨太の素晴らしい本ばかり書かれていますね。
他界されたのが惜しいです。

これからも宜しくお願いいたします。

Posted by: 玲治 | January 02, 2006 at 08:17 AM

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