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November 18, 2005

Annual Reform Recommendations

昨年の10月初めに”Petty suspicions”というエントリで取り上げたUSTRのAnnual Reform Recommendations(日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府の年次改革要望書、省略して「年次改革要望書」と言われているらしい)、毎年遅くとも10月下旬には米国大使館のサイトで発表されるのだが何故か今年は未だ見当たらない(ある意味、毎年これを読むことを楽しみにしていたのに!)。これは今回のブッシュ来日の影響の一つかもしれない。

この「年次改革要望書」を米国から我が国政府に対する「脅迫状」と見るか、グローバル(アメリカン)・スタンダードに善導するありがたい「お諭し」と見るかは立場によって異なるであろが、クリントン・宮澤時代に始まった毎年送られてくるこの「お手紙」の内容(指示?)は、たまたまの偶然かどうかは知らないが数年のタイムラグを経て着実に実行されていることも事実である。勿論、我が国政府も米国に対し非常にdecentな要望書を出してはいる。

従って、この「年次改革要望書」のコンテクストを理解することで、近い将来の政府主導によって実行される「改革」を全てとは言わないまでも予め知ることができる。今回の選挙でも、「手段は語るが、国の将来ヴィジョンを語らない首相」という個人的な評価には変わりがないが、この文書を読むことによって、「構造改革」後の世の中の姿をある程度は予想することはできる(少なくとも競馬新聞の情報よりは高い確率の予想が可能であろう)。

Petty suspicions”(実際にはsuspicionsではなくなったのだが)でも述べた「郵政民営化法案」はこの秋に衆参両院を通過した(さて、郵貯・簡保の300兆円強の行方は何処に?)。この「年次改革要望書」は以前からWEB上にはご丁寧に日本語訳まで公開されているにも拘わらず、何故かこれまで我が国の主要メディアに取り上げられた記憶がない。新聞なら1面トップ、TVニュースなら冒頭で取り上げる価値がある情報であるはずなのだが。日本のメディアは未だに”Censored Democracy”のままとは言わないまでも、その残滓を引き摺って自己規制でもしているのであろうか?未だ読んだことがないのだが、『拒否できない日本』( 関岡 英之著)にこの辺の事情が書かれているのかも知れない。(ネット上の情報によると、この関岡氏が『文藝春秋』12月号に記事を書いているらしい)

ジョン・ダワーの著作『吉田茂とその時代』(Empire and Aftermath: Yoshida Shigeru and the Japanese Experience, 1878-1954)によるとサンフランシスコ講和条約が締結され戦後日本が再独立した際、あからさまに表沙汰にはされなかったが当時の日米双方の政府ともにこの独立は「半独立」という認識を共有していたそうである。この認識は現在まで見直しが図られていないのか、あるいは地下水脈に流れ続けているのかも知れない。

ご参考までに、
2004年版の「年次改革要望書」(仮訳)
Annual Reform Recommendations from the Government of the United States to the Government of Japan under the U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative(オリジナル、PDFファイル)
それ以前のものでアクセス可能な「年次改革要望書」は”Petty suspicions”中のURLを参照してください。



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Comments

TBありがとうございました。あなたの「「手段は語るが、国の将来ヴィジョンを語らない首相」というのは,小泉のやり方のポイントを正確に衝いていると思います。また年次改革要望書を読むことによって「構造改革」後の世の中の姿をある程度は予想することはできる」というのも私が書いたことと一致していますね。私はさらにこれによって日本の現状を「アメリカの属国」と評しましたが,そこら辺のことはどうお考えでしょうか。また日本の将来をどう予測するか,是非それについても近々にお書きください。楽しみにお待ちしています。

Posted by: Konton | November 18, 2005 at 07:57 AM

小泉さんとブッシュ大統領の会談。
強い絆と同盟の強化が述べられている。

全く将来の日本をどんな国にするのかについて、誰も語らない変な日本の政治。

きっと、英語を話さないアメリカ合衆国の51番目の州になるのだろうと思う。

でもそのときは、差別の対称の州になるに違いない。

Posted by: baka-inu | November 18, 2005 at 08:10 AM

こちらこそTBありがとうございました。
最新号の文芸春秋では、「奪われる日本」と題して特集を組んでいますね。
既にお読みになったかもしれませんが、『拒否できない日本』の著者、関岡 英之氏がレポートを書いています。
日本の将来を憂いていますが、何よりも、こうまでアメリカに簒奪されてなんとも思わない多くの国民の意識こそが問題ではないでしょうか・・・

Posted by: Hope | November 18, 2005 at 12:42 PM

TBありがとうございました。

今年は一昨日、ブッシュ大統領の訪問の際に
セグウェイと一緒に「お土産」として渡された可能性が高いですね。

Posted by: T's Collection | November 18, 2005 at 01:31 PM

Kontonさま
baka-inuさま
Hopeさま
T's Collectionさま

コメントありがとうございます。

たまたまワタシはこの「年次改革要望書」の存在は数年前より認識しておりました。以降はワタシの独断や偏見もあるかと思いますのでご了承ください。

その要望(要求?)の実現度と速度は小泉政権になってから加速されたことは言うまでもなく、米国にとっては非常に都合の良い指導者を得たと謂えるでしょう。主要メディアはこれまで殆どこの話題を取り上げず、ネット上でも先の総選挙以降に話題になっていることに不可思議さを感じざるを得ません。単なる個人的妄想だと一笑に付される方もおいででしょうが、SCAPによる占領終了後も米国による巧みな「間接支配」が続いていると考えるほうが妥当のように思います。しかも、殆どの被支配者が無自覚のうちに。そういう意味では、触れてはいけない「タブー」という形を変えたCensored Democracyのフレームワークが主要メディアに継承され、この「間接支配」を支える一因になっているのかも知れません。

これに異を唱えた(唱えそうな)政治指導者は見事に表舞台から排除されていますし、小泉氏を「ポ○」などと呼ぶことは簡単ではありますが、この状況を根本的に変えるのは明治期の不平等条約改定以上に困難なようにも思われます。

Posted by: Flamand@擬藤岡屋日記 | November 18, 2005 at 03:32 PM

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