« Flotsam and Jetsam | Main | Unconvincing algorithm »

October 01, 2004

Petty suspicions

出身派閥のボスからも大ブーイング(ふり?)を浴びている今回の小泉改造内閣の金看板はどうやら「郵政民営化」のようである。これは、青木氏配下の参議院からの2名の入閣とは別枠で、今夏の選挙で参議院議員に当選した竹中経済財政相に新設した「郵政民営化担当相」なるポストを兼任で留任させたことでも明らかであろう。

表向きの「郵政民営化」の賛否に関しては既存のメディアを筆頭にネット上でも様々な議論が行われているので、弊blogでは屋上屋を重ねることは避けたい。規制緩和・構造改革を行えば後は何とかなるさ、という明確な国の将来Visionを提示する能力を持たない小泉氏の内閣には相応しい目玉とも言えるが、消費税・憲法問題等々に優先して何故この「郵政民営化」に拘るのか?の真意を推理してみた。

但し、これはタイトルで示した通りへそ曲がりな店主の謂わば「下衆の勘繰り」であるので、これ以降は妄想・憶測の類かも知れない。

世界に友人の政治家を殆ど持たないブッシュJr.にとって、「戦友」にも等しい唯一の友人は本日不整脈の治療を受けるという英国首相のブレア氏であり、表向き大した実利はもたらさないが精神的な友人が我が小泉氏であろう。(とにかく、要求された範囲でのことは何でも聞き届けている)

このブッシュ-小泉の関係に実利を伴う事項としてこの「郵政民営化」をすり合わると、なにやら色々と推理してみたくなる材料がある。当方の不勉強で小泉氏が「郵政民営化」にいつ頃から本気なったのかはよく分からないが、米国からの強い要請があることは以下にあげる在日米国大使館のWEB上にアーカイブされているドキュメント上でも明白である。(”TRANSPARENCY AND OTHER GOVERNMENT PRACTICES”の項目を参照していただきたい)

Annual Reform Recommendations under the U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative (Oct. 24, 2003)(日本語への仮訳はこちら
Year 2002 Reform Recommendations of the U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative(Oct. 23, 2002)(こちらの方は原文はリンクが切れており、日本語の訳のみアクセス可能)

この文中の「郵政民営化」に関しては、小泉氏や竹中氏が言っていることと大意に殆ど変わりはないが、これを米国サイドからの提言・要求という観点で見ると、「国が鍵をかけている金庫にある300兆円を遙かに超える金を民間に引っ張り出して、我々(米国)の金融機関にもアクセスさせろ!」という意味であろう。

どうやら食欲旺盛な米国の金融機関にとってはリップルウッドが買収した新生銀行(破綻し国有化した長銀を瑕疵担保条項付きで超安値で買い取り、その後上場)のケース程度では満足できないようで、郵貯・簡保の蓄えにも手を出したいように見受けられる。(それにしても、このところTVで垂れ流されているア○○のCFはしつこく、鼻につく。あれだけプロモーションにコストを掛けられるのであれば、保険料金をもっと下げられるハズだ。最終的にはあのCMのコストも契約者が負担しているワケである。)

この推理(邪推?)のコンテキストの線上にポジションできるのが、竹中氏が参議院議員当選後に訪米した際にニュー・ヨークのJapan Societyで行った講演で、以下のようなことを述べたらしい。

政治的抵抗が最大の障害 経財相、郵政民営化で講演』(京都新聞)

要するに、「政府保証のついた貯金は、民営化から10年で消える」ので皆さんが自由に持っていっても構いませんよ、と言っているに等しい。当然のことながら、N.Y.のJapan SocietyのAudienceは在米邦人だけではない。恐らく、これが先にあげた米国からの「提言」に対する答えの一つであろう。

|

« Flotsam and Jetsam | Main | Unconvincing algorithm »

Comments

Petty suspicions様
トラックバックありがとうございます。
なるほど、300兆円ほしいですか・・・
解らなくもないですね

ア○コの年間広告予算は推定 昨年200億・今年が300億。これを、加入者の保険料でまかなってますからどれだけ保険料が高いか?

入院日額一万円の保証は、60日打ち止め。
ガン保険も初期ガンは支払われないことが小さな字で書かれてることが多い。

挙句に、利益は本国へすべて送金。
稼がせてもらった日本には広告費しか還元しません。(TV局や広告代理店と俳優さんたちぐらいですね恩恵を受けるのは)

300兆円の話は、十分ありえそうですね。

Posted by: Jastur | October 02, 2004 at 01:06 AM

Jasturさま、

コメント& TB、ありがとうございます。

このストーリは状況証拠擬きを並べただけで、単なる邪推だとお笑いになる方が殆どだとは思います。

気になるのは、全てがオープンにはならないブッシュ - 小泉会談で何が話されているのかと、あのタイミングで竹中氏がわざわざN.Y.まで出向いて謂わば国内問題である「郵政民営化」の話をしたことです。

現在はデフレ克服が問題視されていますが、もしこのシナリオ(妄想だってば!)が完結したあかつきには、ハイパー・インフレの時代が到来するのではないか?と危惧しております。要するにその原因は全く違いますが、国から富が消えてしまった第一次世界大戦後のドイツのような・・・。


Posted by: Flamand | October 02, 2004 at 01:47 AM

擬藤岡屋日記さま、TBありがとうございます。

政治的な意味合いで言うと、「日本はこれまでにアメリカの要求に応じていろいろな貢物を差し出してきたが、今度は郵貯を差し出す予定である」と理解しています。

貢物は、たとえば、多量のドル買い支えと米国債購入であるでしょうし、長銀のバーゲンセールでもあるでしょう。

もちろんその背後にはロックフェラーとロスチャイルドの話があるのでしょう。

朝廷時代の日本は、当時の世界覇権国である中国に貢物を送っていました。その代わりに、日本国王という印をもらっていたのです。中国がアメリカに変わっただけです。

古い記事ですが、こちらからもTBさせていただきます。

Posted by: かん | October 03, 2004 at 01:09 AM

かんさま、

「郵政民営化」によって郵貯・簡保の巨額資金が民間に流れることによって惹起される可能性のあるシナリオは留意しておくべきだと思います。

もしこのシナリオが進行した場合、これまでのように大多数の人々がノホホンと安穏に暮らしていける社会ではなくなることは容易に想像が付きます。それが日本・日本人にとって良いことなのか悪いことなのか正直言って良く解りませんが、覚悟なしにそのような社会に突入することには強い危機感を抱かざるを得ません。

その原因や経済的規模は我が国とは違いますが、南米では豊かな国の一つだったアルゼンチンの自国通貨とドルとのリンクによって起きた「国家破産」は社会に対し破壊的なインパクトをもたらしました。移民国家であるこの国では、突然経済的な困窮に見舞われた人々はその祖先のルーツを頼ってヨーロッパに出稼ぎに行くことくらいしか解決の手段を持っていないようです。

仮に今回の「郵政民営化」に自らはこのようなシナリオを意図していないとしても、それに対する賛否に係わらず起こりうるリスクを明確に提示するのが政治家の最低限の責務だと考えます。

そのような政治家を選び続けている国民が受ける当然の報いと言ってしまえば、それまでのことなのですが・・・。

Posted by: Flamand | October 03, 2004 at 06:39 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17025/1567814

Listed below are links to weblogs that reference Petty suspicions:

» まったく理由がわかりません。 [屋根裏部屋]
民営化の議論はうんざりだ なぜ、郵政民営化なのか? どうして民営化が必要なのか? まったく解りません! 「総理!」 もちろん郵政が問題を抱えてい... [Read More]

Tracked on October 02, 2004 at 12:59 AM

» この戦いも、みんなで注目しよう。ヤマト運輸VS郵政公社  何のための民営化? [映画や小説や、その他【Kamakura16ニュースショー】]
ヤマト運輸が郵政公社を提訴しましたね。(続きを読む、に朝日新聞の記事抜粋しています。参照してください) ゆうパック事業関連で。 この戦いは、僕は郵政公社とロ... [Read More]

Tracked on October 02, 2004 at 05:50 AM

» 最後の砦 郵便貯金 [国家破綻研究ページ]
郵便貯金は、世界最大の金融機関です。その抱える問題は、UFJよりもはるかに根深いです。というのは、 ・政府保証のある、公的金融機関 ・400兆円を超える... [Read More]

Tracked on October 03, 2004 at 01:10 AM

» 『郵政民営化』の巧みな戦略 [大西 宏のマーケティング・エッセンス]
『郵政民営化実現』が、ひとつの新製品であり、新ブランドだと考えてみましょう。そうすると、これまで単一であった『自民党ブランド』が、『郵政民営化実現』というブラン... [Read More]

Tracked on October 07, 2004 at 02:12 PM

« Flotsam and Jetsam | Main | Unconvincing algorithm »