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September 08, 2004

At the end of the digital medieval ages

fiorina.jpg1 + 1 < 2”のエントリでは最近のHP(Hewlett Packard, HPQ)の業績に対するマーケットからの評価(これが全てではないが)に関して取り上げた。頂いたコメントでもお約束したとおり、現在CEOとしてHPを率いるMs.Carly Fiorinaに関するこれまでの足跡を追ってみたい。

スタンフォードでの同窓生であったビル・ヒューレットデイヴ・パッカードがシリコンヴァレーのガレージでHPを創業したのが1939年で、当時の映画”ファンタジア”で使用する音声発振器をウォルト・ディズニー・プロダクションに納入したのが初めてのビジネスであった。その後電子計測器の分野で順調な成長を遂げ、1967年にはコンピュータ・ビジネスに参入した。この頃からコンピュータのハードウェア・ビジネスを手がけ、現在でもその名を残している米国の会社はIBMとHPだけである。

1999年に創業60年を迎えたHPは、マーケット分野、プロダクト及びカスタマのライフ・サイクルの違いからコンピュータと電子計測器の2つの会社に分社することを決定し、コンピュータ製品の会社がHPの名を引き継ぎ、電子計測器製品の会社がAgilent Technologiesという名称になった。簡単に言ってしまえば、2つの巨大ビジネス・ユニットの協議離婚である。

分社前のCEOであるLew Plattは定年を間近に控えていたため、HPのBoardは分社後のHPの新たなCEOの選定を行っていた。これはあくまでもあるビジネス誌による推測であるが、HP内部からは当時Enterprise BusinessのPresidentであったAnn Livermore、外部からは当時Lucent TechnologiesのGlobal Service Provider Business部門のPresidentを務めていたCarly Fiorinaが最終候補になっていたと言われていた。

それまでのHPの60年の歴史で、名称はともかくCEOの役割を務めたのはDave Packard、Bill Hewlett、John Young、(John Doyle)、Lew Plattで全てHP生え抜きの人々であった。当時のHPはLew Plattの努力にも拘わらずLouis GerstnerをCEOとしてナビスコから招いた90年代初頭のIBMと同様な、いわゆる「大企業病」を克服できないでいた。

HPのBoardは最終的に、外部からの人材であるCarly Fiorinaに新生HPを託すことを決定した。当時、FiorinaはAT&TからLucent Technologiesのスピンオフを成功裏に執行したことが評価されて、Fortune's most powerful woman in businessのNo.1に選ばれており、HPのCEOへの就任がDow 30の一社のトップに初めて女性が登用されたとして「見えないガラスの天井を破った」と当時ビジネス誌を中心にメディアでは大きな話題になり、彼女の顔がその表紙を飾ったこともあった。

当時のHPは製品開発から販売までを統括する縦割りの組織が多数存在し、その製品間での横の繋がりに乏しく、極端にな言い方をすると自部門の業績さえあげれば他の部門には殆ど関心を持たないという状況にあった。幅広くHP製品を購入する顧客の場合、同じHPの看板を背負った5人も6人ものセールスの人間が出入りするということもあったようだ。

John Young以下歴代のCEOによって若干の軌道修正が行われていたが、HPという会社は米国の企業としてはかなり特異でカルト的とも言える企業文化”HP Way”を創業以来そのCore Valueとして守り通してきた。

この”HP Way”によって、HPはかつてExcellent Companyと呼ばれていたが、生き馬の目を抜く弱肉強食ともいえるシリコンヴァレーを中心としたハイテク業界において”Boy Scouts at the rampage”などと揶揄されたり、Dow30にリストアップされてからはWall Streetからの厳しい評価にも晒されるようになっていた。

Ms.Fiorinaはこのような状況の会社にCEOとして、一人パラシュートで降り立ったわけである。(但し、殆ど表には出てはこないが彼女をサポートするスタッフは存在するようである。最大のサポータは、AT&TのV.P.を早期退職し”主夫”役を務めている彼女の夫のFrank Fiorina氏であろう。)

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