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July 23, 2004

Not Lost in Translation

昨年の6月に世田谷パブリックシアターで上演された、村上春樹の3つの短編小説『象の消滅』、『パン屋再襲撃』、『眠り』を原作とした「The Elephant Vanishes」が同じ場所で7月上旬まで再演されていた。ただ、この情報をN.Y.Timesで知ったというが何とも情けないというか、ネット時代では当たり前という言うべきか。(事前に知っていれば、1年ぶりに観に行ったのに・・・)

Tokyo Tales Onstage, Not Lost in Translation(by Todd Zaun, N.Y.Times)

この”Not Lost in Translation”はソフィア・コッポラの”Lost in Translation”引っ掛けて、日本語を解さないイギリスの演出家(Simon McBurney)と英語を解さない日本の俳優たちの舞台作りのことを述べている。恐らく、国籍の異なる人々が無国籍(多国籍)化している現代の「大都会」から想起されるイメージを共有することによりこの舞台を成り立たせているのであろう。

この作品を原作と比較するのもどうかとは思うが、個人的にはこれらの短編を読んだときの村上ワールドのイメージとはズレを感じた。原作に比べ、より猥雑な空気が漂っている舞台である。これはイギリス人の演出家というフィルターと文字で読む文学とは違う血肉を伴った役者による芝居という要素によって表現されているので、当然といえば当然である。

ただ、東京という都会で生まれ育ち、現在でもそのまま都市生活を送っている自分にとって、この芝居で普段は意識下に眠っているモノを覚醒させてくれる一時を味わったのも事実である。

昨年のロンドンでの公演は好評を博したと聞いているが、7月21~25日までリンカーン・センターでの上演は、大都会ニューヨークではどう受け止められるかが興味深いところである。

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