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July 31, 2004

Just a waste of time

31日0時から『Tokyo Ring』の”Siegfried”がNHK BS2で放映された。結局、この『Tokyo Ring』は1度も聴きに行かなかったのだが。『ニーベルンクの指環』のなかでも、この”Siegfried”は大嫌いな作品である。第一、幕が上がってから第二幕の途中で小鳥が現れるまでオトコの声しか聞こえないという店主的にはトンデモないオペラである。しかも、歌らしい歌は殆ど無く、オトコ同士の語りに終始するというところが全く気に入らない。要するに、第三幕のブリュンヒルデとジークフリートのデュエットが始まるまでの我慢大会みたいな作品である。

こんな偏見の持ち主が、この”Siegfried”に関して語るのも如何なものか?とは思うが、放映を観てしまった行きがかり上感想を述べてみたい。

まず、巷で大評判であったと言われているキース・ウォーナーの演出であるが、彼がこのオペラでいったい何を聴衆に伝えたかったのかが全く理解できなかった。本人曰く、この『Tokyo Ring』にはコンセプトなどは存在せず、全体を通しての一貫したアイディアはないと言っているようだ。コンセプト演出は戦後にコミュニストの演出家達がやっていたことで、もはや時代遅れだそうである。

要するに、演出家は簡単には理解できないような素材を観客に投げかけるので、それぞれが勝手に感じとって欲しいということらしい。言われてみれば、この”Siegfried”はコラージュのような演出であるともいえる。ウォーナー自身、この演出を行うに当たって東京という都会にインスパイアされたそうで、この町の混沌とした状況を彼なりの解釈でこの舞台で表現したのかもしれない。意味ありげで小賢しい道具立ては非常に鬱陶しかったのと、ファフナーを退治する森のシーンで着ぐるみがウロチョロ登場するのは、個人的には全くいただいけなかった。

音楽のほうに目(耳)を転じてみると、準・メルクルのヴァグナーは初めて聴いたが、以前ミュンヒェンで彼のヴェルディを聴いたときに感じた不満は全く解消されていなかった。彼の音楽には緩急が乏しいので、ドラマは流れていくが、平板で盛り上がりに欠けたものになってしまっている。歌い手達は大きな凹みもないかわりに、これぞという人もいなかった。

この”Siegfried”、もし実際に聴きに行っていたら、恐らく第一幕終了時点で帰っていたと思う。

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