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April 14, 2004

Götterdämmerung ~Brünnhilde

新国立劇場の「Tokyo Ring」は、演出に関しては賛否があったようであるが概ね好評のうちに「Götterdämmerung 」まで漕ぎついたようである。

店主は普段はヴァグナーを積極的に聴かないが(なんせ、長い!)、今回は久々にこの「黄昏」だけは聴きに行こうと思い立った。しかし、「Tokyo Ring」の人気は店主の想像を遙かに超えており、噂ではチケットは発売開始数時間もたたずに売り切れたとか。当然、聴きに行くことは出来なかった。

以前、ミュンヒェンでエレクトラの絶唱を聴いたシュナウトが歌うブリュンヒルデへの興味と、メルクルがどの程度成熟した音楽を聴かせてくれるのかに関心があったのだが・・・。(実際に聴いた知人曰くは、シュナウトはパワフルだったが、メルクルは萌えていなかった、とか)

そこで、「黄昏」を聴きに行けなかった代替行為というわけでもないが、久しぶりに手持ちの「黄昏」のLP、CDのつまみ聴きをしてみた。ヴァグネリアンからは叱られそうだが、好きな時間に美味しいところだけ聴くというのも、また楽しからずや。

録音に残っているフラグスター、ヴァルナイ、ニルソンの3人のブリュンヒルデに注目して聴いてみた。それぞれ立派な歌唱を聴かせてくれるが、そのブリュンヒルデ像は鮮明な違いを見せている。

フラグスターの歌唱は正に「女神」を感じさせる。このブリュンヒルデ、もしかしてヴォータンよりも偉いのでは?という感するある。従って、ジーフリートとは対峙するというよりは、一段高いところにいるという印象を与える。

ヴァルナイは、最も「人間的」で成熟した「女性」を感じさせるブリュンヒルデである。既に神性は剥奪されおり、人間の女性として目覚め、ジークフリートへの愛憎を込めた歌唱(おそらく演技も)は一瞬たとりも間然とするところがない。

ニルソンの魅力はその強靱な声にあるが、ディクションが今ひとつはっきりとしない。その歌唱の体温は3人の中で最も低く、まるで宇宙からやってきた戦乙女のような感がある。彼女が未だ若いときの55年の録音を聴いたためか、時として有り余るパワーが空回りする瞬間があり、歌の表情がなくなることがある。しかし、これが巧まずして乙女の若さを感じさせてくれる。

それぞれ歴史に残る歌唱であるが、店主にとって最も好ましいくリアリティのあるブリュンヒルデはヴァルナイである。

3人の歌唱を色に例えれば、フラグスターは橙~山吹色、ヴァルナイは紅緋~金赤色、ニルソンは瑠璃紺~露草色を感じさせる。

>>> Götterdämmerung ~ Siegfried

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