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March 17, 2004

Royal Operaも苦渋の選択?

我が国ではアテネ五輪の女子マラソン代表選考で侃侃諤諤の議論?が収まらないようであるが、ロンドンはコヴェントガーデンのロイヤル・オペラでもキャスティングに「苦渋の選択」があった模様。

Times OnlineSunday Telegraphあたりを参照するのが筋であると思うが、英米系の主要な新聞のサイトはユーザ登録が必要な場合が多く、ヴァージニアのローカル・ニュース・サイトであるFriedensburg.comの「Royal Opera Boots Soprano for Weight 」という記事をご紹介する。

この6月にロイヤル・オペラでコリン・デイヴィスの指揮で上演される「ナクソス島のアリアドネ」でタイトル・ロールに予定されていた、デブだ、もといデボラ・ヴォイトが降板させられた。その理由は、用意された衣装(エレガントなイヴニング・ドレスらしい)にヴォイトのサイズが合わなかったのが原因、とか。

ヴォイト自身は「太ったひとへの差別」とかなりご立腹の様子。店主も以前、「仮面舞踏会」の舞台でヴォイトに接したことがあるが、彼女は確かに巨漢ソプラノの一人であると認めざるを得ない。

20世紀初頭、第二次大戦前後の名歌手中心のいわゆるゴールデン・エイジに比べると、近年は演出に重心が置かれているオペラ上演が主流になっており、歌い手の歌唱力に優先して演出家の思い描くリアリティ沿ったキャスティングがなされることは儘ある。今回はその典型的な例である。

しかし、オペラに関しては、芝居とは違ったリアリティがあることも事実であり、そこらへんのことはN.Y.TimesでAnthony Tommasiniが寄稿している「A Dress or a Voice: What Makes a Diva?」を、アクセスできる方は参照していただきたい。ただし、ヴォイトが「アメリカ人のソプラノ」であるということを多少割り引いて読む必要があるかとは思うが。

オペラの上演に際しては、現代の観客の期待値に即した舞台を提供することが最も重要な命題と言える。ただ、オペラの場合、歌、オーケストラ、芝居、衣装、装置等々を総動員する「総合芸術」なるが故のやっかいな問題がある。極端に言えば、観客の期待値は100人100様であるとも言える。

芝居は全くダメだが、歌唱力は抜群という歌手もおり、その歌の力で観客を魅了するという場面に何度も遭遇したこともあり、その体型だけで降板というのも如何なものかという気もするが・・・。これはロイヤル・オペラの下した判断ということで致し方がないことである。

ただ、このオペラ歌手の体型や演技に関する議論は今に始まったことではなく、恐らく50年ほど前に名歌手ロッテ・レーマンが著した自伝「歌の道なかばに」の後半で、後進の歌手たちへの助言として、これからのオペラ歌手は歌唱力を磨くだけでは充分ではなく、自らの反省を踏まえて「体型の維持」「演技力の向上」などに関して語っている。

かの、20世紀後半を代表するディーヴァであるマリア・カラスもデビュー当時は0.1トンほどの体重があり、伝説的な?ダイエットを行い1年間でそれをほぼ半減させたという話しはあまりに有名である。(それが原因で、歌手として寿命を縮めたという見解もあるが)

ゴールデン・エイジの名歌手たちと比べ、明らかに歌唱力だけで太刀打ちすることが難しい現代のオペラ歌手たちには、違った資質も求められているのであろう。

「サロメ」のタイトル・ロールにいたっては、さらに違う資質を求める演出の場合が多々あるが・・・。

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