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March 31, 2004

平均寿命 vs. 平均余命

「平均寿命」と「平均余命」は、時として混同して使われる言葉である。正確には、0歳時の「平均余命」を「平均寿命」という。平たく言えば、オギャーと生まれた新生児が平均であと何年生きるか?というのが「平均寿命」である。新生児死亡率の数字がこの「平均寿命」の大きなファクターになる。小児医療が行き届いていない国(時代)では、この新生児死亡率が「平均寿命」の数字を大きく引き下げる要因になる。

従って、新生児死亡率が高い場合は無事大人になった人の「平均余命」=「平均寿命-現在の年齢」ということにはならないワケである。因みに我が国の明治24-31年の「平均寿命」は男42.8歳、女44.3歳であるが、20歳の「平均余命」は男39.8年、女40.8年であり、40歳の平均余命は男25.7年、女27.8年であった。(厚生労働省の資料より)

要するに、明治時代でも40までしぶとく生き延びた人は平均的に60台半ばまでは生きていた、ということである。
現在では、80歳の女性は平均的に90歳以上までは生きる、という数字になっている。

閑話休題、iioさんが「サリエリ その2 - サリエリは18-19世紀の泉重千代だった」で引用された水谷氏の「サリエーリ―モーツァルトに消された宮廷楽長」の

当時のウィーン人の平均寿命は男性が36歳から40歳、女性が41歳から45歳だったから、サリエーリは充分長寿者だったのだ。

前半と後半の部分はそれぞれ正しいと思われる。しかし、それを「から」で接続したところに問題がある。水谷氏の著作にはベルカント期の歌手を調べる際には大変重宝しており、揚げ足取りをするつもりはないが、この水谷氏の記述には明らかにミス・リードされる可能性を含んでいる。

ただ、これはiioさんの記事の内容では枝葉末節な問題であって、店主はその論旨に異議を唱えるものではない。

21世紀のワタシたちは50年も前に書かれた作品を「現代音楽」などと呼ぶほど呑気で牧歌的だが、18-19世紀は目もくらむようなスピードで時代が動いていた!

などは、慧眼であり正に目から鱗であった。

現代のテクノロジーの変化は秒進分歩などと極端な言われかたもするが、文化的な変化のスピードは明らかに18-19世紀の方が速かったのは事実であろう。

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Comments

 トラックバック、ありがとうございます。
 確かに平均寿命と平均余命の関係を考えると、サリエリのケースは要注意ですね。ご指摘、多謝です。

Posted by: iio | April 01, 2004 at 09:23 PM

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