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February 04, 2004

Topsy-Turvy ~ あるジャポニズムの受容 (Day one)

なんとはなしに遅くまで起きていたら、NHK-BS2で『Topsy-Turvy』(1999年)という映画が放映されていた。

内容は19世紀英国のオペレッタ(コミック・オペラが正しいかも)作家として有名なギルバート&サリヴァンの所謂バックスージもの。監督は、『ネイキッド』『秘密と嘘』『』『人生は、時々晴れ』のマイク・リー。このひとは、近頃は巨匠と呼ばれているらしい。この作品(『Topsy-Turvy』)果たして日本で劇場公開されたのかどうかは、寡聞にして知らない。

ギルバート&サリヴァンは、第二次大戦前は国辱的な内容としてわが国では忌み嫌われた(らしい)。オペレッタ『ミカド』の作者。(ウィリアム・ギルバートが台本、アーサー・サリヴァンが作曲)

当然、この映画でも彼らの最高傑作といわれている『ミカド』製作過程のエピソードに多くの時間が割かれている。映画作品としての出来を云々するほど、普段映画を観ているわけではないのでここではあえて批評は控えるが、ヴィクトリアンである19世紀末にいかにジャポニズムが受容されたか?という視点で観ると大変興味深い内容である。

20世紀末のイギリス人(マイク・リー)が約100年前の同胞たち(ギルバート&サリヴァン)がいかに極東の神秘の国である日本の文化に出会い、ある意味魅了され、芸術作品(『ミカド』)として仕上げる課程のエピソード描いた作品(『Topsy-Turvy』)を、20世紀生まれの日本人(自分のこと)が21世紀初頭にを観る、というなんとも複雑な状況そのものが面白かった。

これ以前の17世紀にも、ヨーロッパにおいても有田焼など『モノ』としての日本が紹介されたことはあった。万博のパヴィリオンという見世物的要素が多分にあるにしても、一般のヨーロッパ人が実際に「ライブ」の日本に触れるのはこの時期(19世紀末)が初めてであろうし、そのインパクトたるや現在の我々が想像する以上のものがあったと思われる。

確かに、『ミカド』はごく普通の日本人の視点からはトンデモ・オペレッタに違いないだろう。ミカドの息子(皇太子?)が親の決めた縁談を嫌って、吟遊詩人に身をやつして放浪し・・・、で舞台はチチブ(秩父?)らしいという、どこを取っても荒唐無稽な筋立てで、どう逆立ちしてもとても日本的とは思えないメロディ(但し、有名な「宮さん、宮さん・・・」がある)と、全く勘違いな扮装と舞台装置という具合で、「いったいどこが日本よ?」という強い違和感を日本人は当然のごとくもつだろう。

戦前この作品が日本において無視された理由は、神聖にして侵すべからざる存在(ミカド)に対する劇中での罰当たりな描き方が反感を呼んだのであろう。

残念ながら、これまで実際の舞台で「ミカド」を体験したことはないが、海外において『マダム・バタフライ』(プッチーニ)の上演を観たとき、同様の違和感を覚えた経験が何度かあった。しかし、ここで自分の日本人であるというフィルターを外してみると(これが、なかなか外れない。だって日本人なのだもん)、全く異なった視界が広がってくる。

つまり、『ミカド』はイギリス人が作った彼らの視点で解釈した日本題材の『コミック・オペラ』であり、『マダム・バタフライ』は長崎を舞台にしたプッチーニの『イタリア・オペラ』である、と解釈すれば、この違和感も大分薄らいでくる。元々、彼らのターゲットした観客は日本人ではなく、イギリス人でありイタリア人であったのだから。

実際、『ミカド』は初演時にはロンドンの観客には大いに受けたようであるし、現在でも英語圏ではコミック・オペラのレパートリとして定着している。

実際のところは知る由もないが、この映画でのギルバート氏はオーセンティックな日本にえらく拘っているのである。当時のイギリスで得られる日本に関する情報など、高が知れたものであったろうし、ギルバート氏の奮闘も日本人を納得させるレベルに達しなかったのはいたしかた無いことであろう。

この『Topsy-Turvy』では、異文化と遭遇したときの、魅了、困惑、誤解、受容など現代にも通じる興味深い事柄が盛り込まれている。

この作品、アカデミー賞の衣装賞とメイクアップ賞を受賞しているらしいが、それってマジ!?


因みに、Topsy-Turvyとは、逆さま、めちゃくちゃの意。


というワケで、blogの何たるかも理解せずに、とても日記とは言えないような文章になってしまった。

これじゃ、誰も読まないわな・・・・。

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